鈴井孝史ブログ

準認定ファンドレイザー,学びや気づきをシェアします

エニアグラムが面白い『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』他

久しぶりのブログ更新です。最近エニアグラムの本を一気に読みました。感想など書き留めておきたいと思います。 

f:id:taka23suz:20181031081353j:image

自分の内面と語り合う、自分の本質を知る

エニアグラム「人間は、九つの本質の中の一つを与えられて、この世に生を受ける」という、にわかには信じがたい話です。

しかしタイプを判定する質問に答えていき、当てはまるタイプがどのような性格か、その概観を読むだけでも、たしかにそうかもしれない、と納得させられます。さらに、どんなことに「囚われ」る傾向があるか、調子のよいとき、調子の悪いとき、にどんな状態になるかを読み、自分の言動や気分のありようをふりかえると、その納得は確信に変わっていきます。

エニアグラムでいう「囚われ」とは、各タイプの深い内面にある「本質」から生じる、悪い傾向を強める原動力のことを言っていて、タイプ別に特徴が違います。こだわりや恐れ、慢心や拠り所と言うこともできます。

イラスト版 「9つの性格」入門

イラスト版 「9つの性格」入門

 

 エニアグラムの本質探しは、自分を知ることで、自分の良さをもっと生かし、悪い傾向をうまくコントロールすることです。悪い傾向に目をつぶるのではなく、それに向き合うことがバランスのとれた生き方のスタートになります。

 

子どもたちにも、響く声がけと反発される声がけがある

大人のタイプ分けだけではなく、子どもにも同じことが言えます。ビリギャルで有名になった坪田さんの著書では、主に勉強に向かう子どもたちにどんな声掛けをすると伸びるか、逆に反発するか、そうしたことを解説してくれています。

私や妻が子どもたちにどう接しているか(まだ6歳と3歳ですが)をふりかえると、褒める場面でも、叱る場面でも、けっこう的外れな接し方をしていたケースがあるなぁと反省しました。まだちいさいので子どもたちの性格タイプを判定したわけではありませんが、もしかしたらこのタイプかも、と仮置きして、声がけの仕方、接し方を慎重にしてみるだけでも、会話が円滑になっているように思います。

人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書

人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書

 

 

「 本当の自分」を知り、他者との人間関係を良好にするために

苦境に置かれたとき、ストレスにさらされたとき、自分の本質部分にある「囚われ」が原動力となり、悪い方向にエネルギーが使われてしまうのだと思います。それと反対の方向に動いたり、問題に対処する知恵やエネルギーを得て「積極的な自己改革」を行うのが、エニアグラムの最も重要な教えの一つです。

さらには自己改革だけでなく、組織の改革、人間関係の改善といった他者との関係改善の知恵も備えています。

9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係 (PHP文庫)

9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係 (PHP文庫)

 

 自分が落ち込んでしまいそうなとき、ストレスにさらされて衝動的になってしまいそうなとき、自分の内面と向き合うために時々読み返したい本に出会うことができました。エニアグラム、奥が深く、面白そうです。

チャリティー金額目標2倍を達成するまでの道のり

プロボノしているNPO親子はねやすめで先日、チャリティーTシャツの一週間限定のキャンペーンが終わり、当初目標金額の約2倍を集めることができました。応援いただいたみなさまには心より御礼申し上げます。改めてこのNPOへの期待の大きさや社会的使命を強く感じる日々でした。

 

ファンドレイザーとしての力を試される時間

同時に、私個人にとってはファンドレイザーの力を試される時間となりました。座学を重ねてきたものの実務はほとんど経験がなく、だからこそプロボノを始め、このような機会にめぐりあうことができて、とてもラッキーです。今日までにやってきたことをふりかえり、まとめておきます。

 

 チャリティーファッション・JAMMINさんとのコラボ決定

一番最初は7月下旬でした。NPOのinfo宛にJAMMIN代表の西田さんからご連絡をいただきました。ウェブサイトリニューアルの件でサービスグラントと取り組んでいることをどこかでご覧いただいたそうです。コラボ採否を事務局内で検討はしたものの、私の中では速攻快諾のつもりでした。オンラインでお打ち合わせをし、10月実施という予定もすぐに決まり、すぐに走り出しました。

JAMMIN(ジャミン)Social Wear Brand

京都発、チャリティー専門ファッションブランドJAMMINさんウェブサイトより

京都発、チャリティー専門ファッションブランドJAMMINさんウェブサイトより

 

ランディングページ(LP)としてペライチ活用

コラボが決まってすぐにやったことはランディングページ(LP)を作ること。以前からずっと使いたかったLP制作サービス「ペライチ」のNPO支援プログラムに申し込むことを即決しました。ペライチはその名のとおり、縦長一枚のウェブページ制作サービスで、SEOやデザイン性、豊富なテンプレ、使いやすい操作で評判でした。利用申し込みと同時に、LPを起点にしたウェブマーケの知識を学べる「ペラ小屋」での学習も始めました。

無料ホームページ制作・作成なら作り方かんたんなペライチ

これまでブログ記事などは書いたことがあったもののLP制作は初めてのこと。販促の基礎知識「新PASONAの法則」などを吸収しました。

ペラ子屋ONLINE|ペライチ×マーケティングが学べるWEB講座

それを基礎にして、ノートにペンで構成を書いては消し、書いては消し、素材画像を地道に探し、適切なコピーを考える、という日々を繰り返しました。この時期はちょっとしんどかった。たった一枚のウェブページ、自分がユーザーだったらさっさと読み飛ばすかもしれないページにこれだけの労力。ウェブ周りの仕事の人に敬意。

結果的にできたのがこちらのページ、がんばりました…。

チャリティー用に作ったランディングページのトップ画像

チャリティー用に作ったランディングページのトップ画像


charity.haneyasume.net

 

Google広告(Google Ad Grants)の活用

ペライチとGoogle広告が無料で使えるNPOプログラムのご案内

ペライチはそれ単独でもSEOに強いと言われていますが、より高い成果を求めてgoogle広告の導入を計画しました。ただ、広告出稿を申請していますが、今現在もまだ広告出稿はできていません。ここは引き続き勉強です。

 

学生インターンと共に、twitter運用

一週間限定という短期集中で盛り上がりをつくるのは私一人では難しいと考え、学生インターンを募集し、名乗り出ていただいた方とすぐにチームを組むことに。学生インターンにはtwitterの運用、Tシャツ同梱チラシの作成、ブログ記事1本執筆をお願いしました。彼女なりにtwitterでよりよく拡散する方法などを探求していただき、新設アカウント&フォロワーゼロという状態から20日間で12400件ほどのインプレッションを獲得するまでに! 本当に助けられました。

twitter.com

さらに彼女のボランティア経験から書いてもらったブログが大ヒット。それまで通常1記事1日30ビューくらいだったのがいきなり1日300ビュー、10倍もの反響でした。こちら必読です。

oyakohaneyasume.hatenablog.com

 

いよいよキャンペーン開始

JAMMINのDLOPさんによるデザイン

JAMMINのDLOPさんによるデザイン

いよいよデザインが出来上がり、深堀していただいたインタビュー記事も公開され(なんと、Yahoo!にもオルタナSにも!)キャンペーンは始まりました。ここから怒涛の一週間が始まりました。

jammin.co.jp

headlines.yahoo.co.jp

そしてチャリティー金額は目標の2倍!

 

一週間のキャンペーンですが、金曜朝には最初の目標を達成してネクストゴールを設定。それも土曜日の夜くらいに達成。最終的には2倍近くのご支援をいただいたことになりました。大変感謝しております。

このようなチャレンジの機会を与えていただいたことに感謝しています。プロボノをやってきて最初の一山を超えることができてホッとしています。ありがとうございます。

 

誕生日にプロボノを始めて半年。活動まとめ。

今年1月、図らずも39歳の誕生日に始まった私のプロボノ活動。半年が経って少しずつ活動が進んできたので簡単にまとめたいと思います。備忘録な意味で。

 

偶然にも終わりと始まりを象徴する誕生日に活動開始

taka23suz.hatenablog.com

この日に重なったのは本当に偶然だったんですよね~。これは何かに導かれている!と信じ、勇気をもって行動することができました。「二枚目の名刺」を実際に手にしたことは自分でも嬉しく、自覚もしやすく、周囲にも説明しやすく、いいことづくめでした。しかしこれは始まりに過ぎません。ブログに書くことで有言実行を自分に課しました。

 

デジタルファンドレイジングのセミナーを受講、しかも2回目の受講

taka23suz.hatenablog.com

NPOプロボノとしてジョインする私のミッションは、広報とファンドレイジングを強化すること。ということで、デジタルファンドレイジング。前回受講時は、いずれ何かの役に立つだろうくらいの気持ちで受講しましたが、今回はすぐに実務に生かすべく受講しましたので、臨む姿勢が違っていました。多くを吸収することができました。

 

プロボノと本業とのバランスでやりがちな失敗をしそうになって… 

taka23suz.hatenablog.com

積極性をもって取り組み始めるだけに、前のめりになって相手のペースを考えなくなってしまったり、本業をおろそかにしそうになってしまったり。実際にやってみて身をもって理解ができました。まさに、バランスが大事。ただ、今思うのは、本業とプロボノ、比重は一定である必要はなくて、あちらに傾いたりこちらに傾いたりしながら、トータルで双方ともに結果を出せばよいのだということです。一方の充実が、もう一方の充実に寄与することは当然あるだろうと思います。

 

色々と知識を吸収しました
taka23suz.hatenablog.com
taka23suz.hatenablog.com

ファンドレイジングの知識はある程度持っていたものの、実務面では経験が少なかったので、おさらいをして実務に備えることにしました。そして、Webディレクションというのも未経験だったので、網羅的な教科書を読んで学びました。関心をもっていたところなので楽しい時間でした。

 

自分はNPO事務局ボランティアとなり、逆にプロボノのチームから支援を受けることになりました

taka23suz.hatenablog.com

私自身は一人の事務局ボランティアとなりNPO親子はねやすめの一員となりました。一方、NPO親子はねやすめは、サービスグラントでの審査を通過し、プロボノワーカーの人たちに選ばれて、webサイトリニューアルの支援を受けることが決まりました。

キックオフミーティングでの充実感は、この数か月の努力が形になりつつある喜びでもあり、感慨深いものがありました。

そしてこのころから親子はねやすめのブログを書き始めました。(同時に自分のブログの更新が滞って反省…)

oyakohaneyasume.hatenablog.com

 

今はチャリティキャンペーンの絶賛準備中

oyakohaneyasume.hatenablog.com

ウェブリニューアルの準備をしつつ、ブログを書いたりFacebookを更新したりしていたら、チャリティのお話が舞い込んできて、コラボ企画の打ち合わせをして、今は秋の公開に向けて絶賛準備中。助成金の申請も書いています。ファンドレイザーとして座学で学んできたことをいっきに実行する日々を過ごしています。

 

踏みだすと動きだす 動きだすと進みだす

世の中によくある法則として、やはり、自分が踏みだすと、状況が動きだします。そして、状況が動きだすと目指していた方向に進みだします。一歩を踏み出すことの大切さを改めて感じました。

この気持ちのいい波に乗って、いけるところまでいってみようと思います。そのためにはバランス感覚が大切。視野を広く姿勢よく。これからのプロボノも楽しみです。

NPO親子はねやすめの総会に参加しました

NPO法人の総会というものに参加したことがありますか? どういうものか想像できますか? 私がプロボノとして関わっているNPOの総会に参加したので、そのことを紹介いたします。

f:id:taka23suz:20180624013429j:image

NPO法人「親子はねやすめ」の総会で、活動を詳しく知る

親子はねやすめは「明日のために、元気にやすむ」をキャッチコピーとする、重い病気や障害を持つ子どもやその家族を『休息』という側面から支援する、医療・福祉系NPOです。私はプロボノとして広報などのお手伝いをしています。

www.haneyasume.org

総会ではまず2017年度の会計報告と活動報告がされました。主なところだけ抜粋して。

 

レスパイトケア旅行の積み重ね

病気や障害を持つ子ども自身とその親なども参加する、宿泊を伴う「レスパイトケア旅行」は、初回から続く長野県筑北村で8月に実施したのに加え、10月にも仙台市秋保という場所でも行われました。

新企画、きょうだい児向けスキー体験

親は、重い病気や障害を持つ子どもにかかりっきりになりがちで、きょうだい児は寂しい思いをしたり、さまざまな経験が少ない、まして遠出をすることも難しいということがあります。

そこで新企画はスキー体験。スキーをしたことがなかった子どもたちが、旅行2日目には全員が自分一人で滑れるようになったそうです。

子どもの貧困などと共通することですが「機会さえあれば…」ということは本当に多いと実感します。

もうひとつ新企画、農業体験

栃木県佐野市での農業体験に取り組んでいます。これは私が会社で関わっていたイベントとも同じこと*1。農業を体験し親しむことはさまざまな可能性を含むと思うので、個人的にもぜひ続けていきたい活動です。

 

カナダでスタンディングオベーション

もうひとつとても勇気づけられる報告が。アドバイザリーボードのお一人であり、団体設立時から多大な支援をいただいている前田浩利医師が、カナダで医療関係者向けに講演を行った時のこと。親子はねやすめの活動紹介動画(英訳付き)を流したころ、百数十人の聴衆からスタンディングオベーションが湧き起こったとのことです!

小児医療が世界トップレベルの水準に達した日本のこうした取り組みが、海外にも驚きをもって迎えられる。その波がすでに起きているということがわかります。
前田医師については、ちょうどNHKハートネットTVでも番組になり、その放送がありました。6月27(水)午後1時05分から再放送がありますので、ぜひご覧ください。

www.nhk.or.jp


また「医療的ケア」についても、26(火)28(木)と続けて取り上げられていますので、要チェックです。

www.nhk.or.jp

 

感想「総会は大事だけど、もっと大事なものがある」

ま、当たり前かもしれないけど。

総会は重要な決定機関ではあるが瞬間的な通過点でしかない

NPOも会社も共通ですが、総会は通常一年に一度、様々な重要案件を決めることのできる決定機関ではあります。ですが実質的に大切なことは、日常的な活動の中で積み重ねるように決まってきています。

この先の親子はねやすめが、どれだけポジティブな社会変化を生めるのか、それは総会以降の日々で、私を含むメンバーが具体的に何をするかにかかっています。改めて襟を正す思いです。

f:id:taka23suz:20180624013718j:image

善意の支援のありがたさを実感

親子はねやすめは財政基盤が盤石とはいえません。大口の法人からのご寄付、大口の助成金、などに支えられています。仮にそちらの方針が変わってしまえば、とたんに経営がたちゆかなくなります。リスクヘッジも兼ねて、小口でも定期収入となるマンスリーサポーターを増やそうとするのが寄付収入型NPOの定番モデルです。

また現金での支援に限らず、場所の提供、物品の提供、労力の提供、知恵の提供、人脈の提供など、有形無形の支援を上手にいただくことが重要です。それが団体を差別化するポイントになってくるだろうと改めて感じました。

 

そんなわけで、総会を終えてまた新たな活動が始まっています。私もプロボノとしてがんばります。ふぅ今日もブログが長くなりました。お読みいただきありがとうございます。

*1:www.daichi-m.co.jp/csr/14812/

募金詐欺?炎上から考えるファンドレイジング行動基準とは?

今日は「ファンドレイジング行動基準」について考えてみたいと思います。

きっかけは、キングコング西野氏「3億借金。募金して」で炎上

炎上芸人さんが自身の作品をテーマにした美術館を建設するために3億円を借金したとして寄付を募るも、その方法が詐欺まがいだとして批判され、謝罪に追い込まれたという一件です。

キングコング西野亮廣が美術館建設を口実に「3億円募金詐欺未遂」の顛末 (1)ページ | 世の中を見渡すニュースサイト New's vision(ニューズヴィジョン

キングコング西野氏といえば、絵本『えんとつ町のプペル』の製作費や無料個展のためのクラウドファンディングで数千万円を集めたり、晴れ着トラブルにあった新成人にリベンジ成人式をプレゼントしたり、あっと驚く話題を作り、人々を巻き込み、お金の集め方も使い方も大変ユニークで、その言動に刺激を受ける人も多いことでしょう。

しかし今回ばかりは度が過ぎたようです。では、どこがまずかったのか、どうすればよかったのか、やや強引ですがw、ファンドレイジングのあるべき姿という観点に引き寄せて考えてみました。

 

ファンドレイジング行動基準とは

f:id:taka23suz:20180614074309j:image

日本ファンドレイジング協会が2011年に定めた「ファンドレイジング行動基準」というものがあります。策定にあたっての考え方は次のとおり。

寄付者が寄付という行為を通じて、社会にどう参画できるのかについての考え方や、寄付の受け手側のルールについては、これまで十分に整理されているとはいえず、そのことが、より寄付が進むうえでの課題のひとつとなっています。(中略)

ファンドレイジングに関わる皆さまが、寄付者の権利を尊重し、寄付集めのルールを守ることで、寄付をする人たちと寄付を集める人たちとの間の信頼関係が構築されていくことを願っています。

「ファンドレイジング行動基準」を発表します。 | ニュース | 日本ファンドレイジング協会

社会貢献への関心の高まり、寄付への関心の高まりにあわせ、寄付者の権利、寄付を受ける側の行動原則や行動規範を整え、日本の寄付文化を醸成していこうというものです。

f:id:taka23suz:20180614074632j:image

ファンドレイジング行動基準に照らして考える

  • 法令を守ることに加え、倫理的に正しく行動する
法令を守るのはもちろんで「倫理的に正しく」というのがポイントかと思います。今回、西野氏のブログでは、誇張された表現、恐喝的な表現、煽った表現が多用されています。まぁ炎上芸人なのでよくあることなのかもしれませんが…。ファンドレイザーでありたければ、襟を正して、誠実にものを言うことが必須ですね。
 
  • その目的及び集めた資金の使途について、事前に正しく説明を行う
寄付金の使用目的をわかりやすく正確に、そして事前に説明する必要があります。エンタメ番組のノリで、おもしろ企画をぶち上げて、炎上しつつバズらせる!みたいなこととは、だいぶ温度感が違いますね…。そこは落ち着いてやりましょう。
 
  • 寄付者に説明した目的通りにその寄付金を使う
例えばクラウドファンディングでは資金の使用目的の記載は最重要項目ですし、プロジェクト遂行上のリスク等も説明されていたりします。実行プロセスをオープンにして支援者に見守られながら活動を進めることが重要だと思います。
 

不正な募金は詐欺、ということ

ファンドレイジング行動基準と照らして考えると、その派手な言動はだいぶ離れた次元にあったように思われます。「募金を不正に集める詐欺」というのも最高裁判例がありますので、こうしたことは注意しなければいけません。
募金詐欺については、基本的に「無い話をでっち上げて同情や関心を煽り、金品浄銭を集め詐取する行為」(消費者問題に詳しい弁護士)であり
(上記やまもといちろう氏記事より引用)
ただ、表現の問題だけでいえば、熱狂的な支持者が、発案者のオンラインコミュニティなどに集い、そうした人々に向けた言葉として、誇張のような表現や恐喝的な表現がいろんな意味で効果的だった場合、白黒はっきりしない部分はあるのかもしれません。「ファンドレイジング行動基準」も時代や社会環境に応じたアップデートが必要なのかもしれません。
f:id:taka23suz:20180614084005j:image
 
とりあえずネットの炎上事案から多くを学べたことは収穫でした。今日も読んでいただきありがとうございました。

 

新人webライター・編集者におすすめの生きる教材3選(おまけあり)

つい先日、かわいい後輩から質問されたことがあり、良い機会なので簡単にまとめてみます。お題は、新たにwebメディアに関わることになったけど、初心者なので良い教材を教えてほしい、というものです。この問いに対して、私からは今まさに生き生きと動いているメディアをフォローするのが一番の学びになるだろう、と思い、3つおすすめさせてもらいました。ご紹介します。

f:id:taka23suz:20180606075332j:image

 

greenz「あなたの作文が未来をつくる」

greenzは、一つ一つの記事が社会をポジティブに変える力を持ち、ライターや被取材者を巻き込んで、うねりを生み続けるメディアです。

ウェブマガジンgreenz.jpは「一人ひとりが『ほしい未来』をつくる、持続可能な社会」をめざす非営利のメディアです。

そのgreenzが、greenz流の取材術や文章術を余すことなく教えてくれるスクールを運営しています。「あなたの作文が未来をつくる」シリーズは、それと連動する読み物集。テクニックだけでなく、社会や自分自身が変わっていく可能性など、マインドセットを学びとることができます。(それにgreenzの記事は読んでいて心地いい)

greenz.jp

あなたの作文が未来をつくる | greenz.jp

 

LIG「【Webライター・編集者】最初の一歩」

株式会社LIGは上野にあるweb制作会社ですが、独自コンテンツ盛りだくさんのLIGブログがユニークで有名ですね。

LIGブログというコミュニティには、webメディアに関わるプロが大勢集まっていて、そのプロたちのノウハウが惜しげもなく披露されています。制作側の当事者たちのリアルな情報がためになります。へたなセミナーより全然役立つ。

liginc.co.jp

 

ferret「コンテンツマーケティング

Webマーケティングのノウハウを幅広く伝えるメディアferretには、基礎的な用語解説から、トレンドの紹介、そして実用的なノウハウまで、すぐに役立つ情報が網羅的に集まっています。基礎固めのためにも、ちょいちょいチェックしておきたいメディアです。

ferret-plus.com

 

組織メディアだけでなく個人メディアをフォローして学ぶ

「編集部」が存在して、運営主体の目的に沿って作られているメディアだけでなく、個人の情報発信もフォローしてためになるものが多くあります。私が大きな影響を受けたお二人の発信者をご紹介します。

 

境治(さかい おさむ)さん

ちょうど私にも子どもができた時期に『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない』というブログがバズっていて、私もその後に本(三輪舎・刊)を購入し、そして境さんが、社会を動かすバズる発信の仕方、みたいな小さなセミナーをなさったときにそれを聞きに行きました。

「#保育園落ちたの私だ」空気に対する革命の、空気とは何だ? | sakaiosamu.com

その後も「保育園落ちた日本死ね」のムーブメントを追いかけたりされていますが、本業はメディアコンサルタントということで、映画「シン・ゴジラ」やドラマ「逃げ恥」の社会現象、そしてテレビの規制改革など、ヤフトピ入りするような話題を生み出し続けているのをフォローしているだけでも学ぶものは多いです。

 

渥美志保さん

こちらは、私が所属する会社のCSR部署でメディア運営にかかわっていた時、ライティングのパートナーとしてご一緒させていただいた、がっつりプロのライターさんです。

渥美志保の記事一覧 - 個人 - Yahoo!ニュース

アツミシホ (@atmsh_official) | Twitter

会社のオウンドメディアの記事を企画し、構成を考え、取材をセットし、ディレクションして、ついでに写真も撮って、そしてありがたいことに、取材をまじなプロの渥美さんにお願いして、その原稿を最初に読ませていただく、そして意見交換をさせていただく。そうやってプロを相手に場数を踏ませていただいて、貴重な経験をさせていただきました。

 

まとめ

そんなわけで、メディアを作る側に回る時には、まず自分が好きなメディアをよくよく観察するところから始まるように思います。なぜ自分がそれを好きなのか、心地よいのか、影響力を持っているのかを自分なりに考えるところから、学びが深まっていくように思います。

【本のレビュー】プログラミング教育が変える子どもの未来

2020年からプログラミング教育が小学校の必修科目になるとのこと。私も、今年4月から「小学生の親」になった一人の大人として、また、NHKロボコン」とか結構好きだった元理系男子として、気になる話題のひとつです。というわけで軽くこんな本を。

『 プログラミング教育が変える子どもの未来』

プログラミング教育が変える子どもの未来 AIの時代を生きるために親が知っておきたい4つのこと

プログラミング教育が変える子どもの未来 AIの時代を生きるために親が知っておきたい4つのこと

 

今の子どもたちが大人になるころ…という悠長な話ではなく、すでに今、急速に社会は変化していて、私も自分の子どもがどんな仕事に就くのか(そもそも仕事に就くという概念自体も変わっているかもしれない(人生100年時代))想像しにくい状況です。

そんな新しい時代に、少なくとも「教養」としてプログラミングを子どもたちが学ぶことの意義は大きいと感じます。その一方で、指導方法や教材はまだ確立していないらしく、そもそも保護者や教育関係者ですら、プログラミング教育がどういうもので、何を得られるかイメージできていない人が多いと思います。

本書は、そんな大人たちが何を知っておくべきか、どういうサポートができるか、そしてどう一緒に楽しむことができるかを紹介してくれる一冊です。

f:id:taka23suz:20180531213912j:image

 

印象的だったところ

プログラミングで身につく4つの能力とは?

  • 自己解決力

プログラムによって何をしたいのかは自分で決めなければいけない
またエラーなどを解決する方法は1つとは限らない

  • 想像力

何を作りたいのか想像力を働かせ、アイデアを掘り下げて考える必要がある
世の中の仕組みがどのように動いているか想像し理解することにもつながる

  • 自分を信じる力

プログラミングは、スモールステップの積み重ね
小さな成功体験をして自信を得ていく

  • 表現力

作ったプログラムの仕組みについて誰かに話したり発表したり、誰かに助けを求めたり、表現力やコミュニケーション能力も育まれる

 

プログラミング的思考とは?

文部科学省が定義した「プログラミング的思考」とは次のようなことだそうです。

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

例えば今の自分の仕事に引き寄せて考えてみれば、たしかに、何かの仕事を効率よく正確にスムーズに行うために、こうした思考は必須ですし、これができるできないによって成果に大きく影響してくることを実感します。

 

シビックテックで地域を支える人材

地域課題の解決という文脈からもプログラミングの素養のある人が社会の中に増えていくことが望まれます。

シビックテック(CivicTech)とは、「シビック(市民の/みんなの)」と「テクノロジー」を組み合わせた造語。市民がデジタルテクノロジーを活用して地域社会の課題を自ら解決していこうとする考え方やその活動のこと。

サービスを提供する人(行政)とされる人(住民)に分かれる枠組みでは、地方自治体は持続可能ではなく、近い将来、機能しなくなると思っています。住民が地域を『自分ごと化』できて、サービスを提供する側に手軽に回れるような世界こそが21世紀における自治体の姿であり、公共というものの本質となるはずです。そのためにはオープンデータをはじめとして、地域の中で見えていない課題を見えるように可視化することが重要です。(会津大学産学イノベーションセンター藤井准教授)

 

プログラミングに親しむ時間をもとう!

読後、やっぱりプログラミングやロボットに親しみ、楽しめそうな教室に子どもと一緒に行ってみたくなりました。幸いにもレゴスクールが家の近くにあるので体験入学してみようかと思っています。

www.legoschool.jp

長くなりました。今日はこんなところで。