お金2.0の時代に、基礎知識としてファイナンシャルプランナーの試験を受けてみました
お金2.0という本がAmazonランキング1位になるくらい売れているとか。あるいは仮想通貨取引所コインチェックから約580億円の仮想通貨が流出したとか。そんな話題が盛んなタイミングですが、非常に地味に、ファイナンシャルプランナー3級の試験を受けてみました。
自己採点ではおそらく合格ですが、これでダメだったらかなり恥ずかしいですね。
どうしてこの勉強をしたのか
今後、ファンドレイザーとして実務をする際には、当然ながら、当該の社会的活動などを応援してくださる方から、余裕資金をお預かりして、しかるべき活動を行い、社会的な価値を創出して、資金を出してくださった方にも喜んでいただく必要があります。
そうしたシーンで、個人の資産管理や運用、周辺の法制や税制を理解しておくことは、まあ損することはないかなと思った次第です。
また、2016年ごろから遺贈寄付*1への関心が高まってきていたことも今回の勉強の大きなきっかけになっています。遺贈寄付とは、亡くなった人の遺志や相続した人の考えに基づいて行われる寄付のことで、人生の集大成としての寄付を前向きに考える方も多いといいます。今後、こうした場面に関わることにも備え、税制などを正しく知る必要を感じ、勉強することにしました。
取り組んでみての感想
満点で合格したわけでもないのであまり大きなことは言えませんが、FP3級はほんと、広く浅く基礎的なことばかりですし、ググればすぐに出てくることや、時代が変われば簡単に変わってしまうだろう現在の仕組みや制度などを暗記するという感じでした。
しかし大事なのは、ググればすぐ出てくることが頭の中に入っていて、広く浅くその構造を理解していることで、後から追加の知識や経験を付け足していきやすい、ということかと思います。
そういう意味では、お金2.0やら、資本主義から価値主義へ、などと言われているこのタイミングで、基礎的なおさらいができたことは良かったと思っています。
あと意外にあなどれないのは、税制などを知ることで経済的インセンティブを用いたアイデアなども考えられるようになることです。例えば、太陽光発電など低炭素化設備導入の資金を子や孫に贈与したとき一定の条件を満たせば贈与税が非課税になるという、こんな事例。少し古い記事ですが。
というわけで、基礎知識を固めつつ、ファンドレイザーとして修業を続けていこうと思います。読んでいただきありがとうございました。
セクターを超えて。「コレクティブインパクト」と「トライセクター・リーダー」
このブログを始める理由 - 鈴井孝史ブログを書いたときに「異なるセクターの協働について」学んだことや考えたことを綴ってみたいと書きました。そこで今日は「コレクティブインパクト」と「トライセクター・リーダー」という言葉を簡単にご紹介したいと思います。
コレクティブインパクトとは
立場の異なる組織(行政、企業、NPO、財団、有志団体など)が、組織の壁を越えてお互いの強みを出し合い社会的課題の解決を目指すアプローチのこと。
個別組織がそれぞれ個別のアプローチをとるのではなく、複雑化、相互依存関係にある社会課題に対して、行政、企業、NPOなどがセクターを超えて、共通のゴールを目指して協力し合うアプローチということです。2011年に提唱された比較的新しい概念です。
具体例としては、国内では2017に尼崎市で始まった、コレクティブフォーチルドレンというプロジェクトがあります。(http://cforc.jp/)これは、子どもたちが生まれてから社会に出るまで、行政のサービスにうまく当てはまらなかった子どもたちに対し、NPOや民間が連携し、セーフティネットの網の目から抜け落ちないようにサポートする総合的なパッケージの仕組みを作ろうというものです。
コレクティブインパクトが成立する5つの条件があるそうです。*1
- 1, 共通のアジェンダ (Common Agenda)
全ての参加者が、変革に向けた共通のビジョンを持たなければならない
課題に対して共通の認識をもち、合意が得られた行動を通じて、共に問題解決を行う
- 2, 評価システムの共有 (Shared Measurement)
全ての参加者が、共通の方法で成果を測定・報告し、それらを通じて学習・改善する
- 3, 互いに強化し合う活動 (Mutually Reinforcing Activities)
様々な分野のステークホルダーが、それぞれに特化した活動を通じて、互いを強化し合い連携する
- 4, 継続的なコミュニケーション (Continuous Communication)
信頼を築き、共通の目的を持ち、モチベーションを創り出すために、すべてのプレーヤーが、継続的なコミュニケーションをとる
- 5, 活動を支えるバックボーン組織 (Backbone Organization)
全体のビジョンや戦略を導いたり、測定システムを確立したりなど、活動をサポートする独立した組織のこと
コレクティブインパクトという言葉を使うかどうかは別としても、本当に社会課題を解決しようとすれば、自ずと行政、企業、NPOの緊密な連携が欠かせないという場面は多いと思います。共通アジェンダ、評価システムの共有など、スタート前の議論がかなり重要なようです。取り組みに時間はかかっても確実な社会的インパクトのためには今後は必須な考え方になると思いました。
トライセクター・リーダーとは
2014年、ハーバード・ビジネス・レビューの「トライセクター・リーダー:社会問題を解決する新たなキャリア」という特集が最初だそうです。
トライセクター・リーダー(Tri-sector Leader)とは、民間・公共・社会の3つの垣根を超えて活躍する人材を言うとのこと。*2 *3
先述のコレクティブインパクトのように、複雑化した社会問題、また競争が激化したビジネス環境では、どのセクターの組織も、その垣根を超えて連携し、真の意味の、あるいは持続的な課題解決を志向する必要が増していると感じます。そういった連携をつなぐことのできる資質やスキルを持った人材をトライセクター・リーダーと呼ぶのだろうと思います。
トライセクター・リーダーの6つの特徴というのも紹介されていました。引用します。
【1】理想と実利をともに追求する
【2】無関係に見える状況の類似性を見抜く
【3】状況判断力に優れている
【4】知的専門性を高める
【5】セクター横断的な人脈を築く
【6】心構えを忘れない
なかなかこのような立派な人材になるのは難しそうですが…(汗)アフターファイブでNPOの活動に参加するとか、私のようにプロボノをやってみるとか、真面目なブログを書いてみるとか、そうしたことから磨かれていくものもあるのかなと思ったりします。
今日はそんなところで。
節目の日。偶然にも39歳の誕生日に終えることと始めること。
日付が変わって、昨日2018年1月19日で39歳になりました。これまで出会った全ての人や物や出来事のおかげで、今日も元気に生きています。本当にありがとうございます!
偶然としか言いようがないのですが、この誕生日に終えることと始めることが重なり、何というか導かれているのかなぁなんて思います。
終えるもの
まず私にとって、いったん区切りで終えることは、こちらです。
多数の上場企業の、web上のCSRコンテンツ充実度を評価するという調査に、私もボランティア調査員としてお手伝いさせていただきました。私の担当だけでも100社、ひたすらサイトを閲覧して評価基準に沿って採点していく活動でした。
前例のないユニークな調査で、特にマルチステークスホルダーによる評価であり、また総合的・網羅的な観点からのランキングになっていると思います。
企業のCSRページを見ること自体、日常でそれほど無いのに、それを100社分閲覧して評価するという、かなりマニアックな作業をしました。自分の仕事などと照らし合わせながら、また、ここ最近問題になった企業不祥事のことや、SDGsの盛り上がりなどと関連して、とても勉強になりました。1月19日がちょうどその総括会議でした。
始めるもの
NPO法人「親子はねやすめ」にプロボノとして関わることになりました。
「親子はねやすめ」は、重い病気や障がいのある子どもとその家族、保養が必要なすべての子どもたちのQOL(生活の質)向上をサポートするNPO法人です。
会社の取り組みとしてこちらの活動をサポートしていましたが、この度、プロボノとして関わらせていただくことになりました。プロボノのコーディネート実績豊富なサービスグラントのスキームに応募してみます。通るかどうかまだわかりませんが。
プロボノとは:社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門的知識を生かしたボランティア活動
この1月19日に、名刺を受け取った次第です。まだ実態としては何も始まっていませんが、これから徐々に、親子はねやすめのウェブサイトリニューアルを進めていく予定です。私自身としては、ファンドレイジングの実務経験を積むこと、webディレクションの経験を積むことが目標です。
節目の日に。
偶然にも、個人的に力を入れていた活動のひとつが終わり、ひとつが始まる。その日が自分の誕生日に重なった。何かのお告げでしょうか?? せっかくのご縁と機会ですので、自分なりに目標設定して、やってみようと思っています。
もちろん本業も、家庭生活も、力を抜くつもりはまったくありません。
39歳の私をそっと見守っていただければ幸いです。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
子育て中の40歳前後のお父さんにおすすめしたい短時間勤務の話
先日、同じ年代のお父さん友だち、いわゆるパパ友と話をしているとき、短時間勤務の話になったので、その話を書きたいと思います。ブログ始まっていきなり、ファンドレイザーの話じゃないですけど。
時短をおすすめしたパパ友
そのパパ友には2歳の第一子がいて、最近、第二子が産まれました。神奈川県内の一軒家に住み、夫婦それぞれの実家は少し離れたところ。奥さんもフルタイム職なので、育休が終わったら共働き。
ホームパーティーに呼ばれて、子育て、家事、夫婦関係のことなどリラックスして話をしていて、どの家庭にも共通するワンオペ育児の過酷さが話のネタに。40前後の夫婦によくある風景です。
時短のケーススタディ、私の場合。
私は、6歳ともうすぐ3歳の二人の娘の父親で、短時間勤務をしています。
元々、第一子が生まれるとき、家のことや妻の身の回りのことをするために三ヶ月ほど時短したのが最初だったと思います。当時の私は午後〜夜までというシフト勤務もあったので、それを免除してほしくて会社の制度を調べ、時短することにしました。
その後、第二子を妻が妊娠中に上の子の送り迎えに妻が自転車に乗れないという理由で約一年間の時短をしました。
そして今も続けています。
時短のメリット
家にいる時間が増えるので、ワークライフバランスを整えやすい。それに尽きると思いますが具体的に述べます。
- 子どもと深く関わることができる
自分が仕事をしていた時間に、子どもが何を経験して何が楽しくて何が嫌だったか、その子自身が言葉で正確に伝えてくれるわけではありません。それでも保育園の送り迎えや食事のときの様子で伝わるものがあります。親子の理解もまず日常の共有から始まる気がします。
- 子どもの時間に寄り添える
子どもとコミュニケーションが行き違う理由のほとんどは、親が親の時間に追われているからです。何かの言葉の意味や、物事の善し悪しを伝えるのも時間がかかります。しかしちょっとしたその時間が大切な寄り添いの時間になったりするのです。
- 妻との会話が増える
日々過ごす時間が増え、家のことや子どもの情報も共有するので、自ずと会話も増えます。タスク管理的なことも多いですが、普段からそれらを済ませておけば週末などにはよりリラックスした会話もできるようになります。
まとめ
良いこと尽くめの時短について書いてきました。
もちろんデメリットもあります。仕事に制限かかるとか、給料が減るとか、飲み会に行けないとか。
しかし長い人生、逆に、あっという間の子育て黄金期のチャンスを、たかだか短時間勤務くらいのことで大いに味わえるだからお得感しかありません。
ぜひとも時短を強くおおすめしておきたいです。
長くなりました。お読みいただき、ありがとうございました!
このブログを始める理由
こんにちは、鈴井孝史です。この記事を読みに来てくださり、ありがとうございます。
ブログを始める理由
このブログを始める理由と、ここで綴る予定の内容について、今の正直な思いを書いておこうと思います。
このブログを始める理由は、自分が学んだことや考えたことを書き留めて深掘りしたいため、つまり自分のためがひとつ。
もうひとつは、私が学んだことや考えたことや気づいたことが、案外誰かの役に立つかもしれない、つまり誰かのためです。今読んでいただいているあなたにもお役に立てたら嬉しく思います。
どんな内容か①:ファンドレイザーとしての学びや気づき
ひとつめはファンドレイザーとして学んだことや考えたことです。
ファンドレイザーというのは「社会のために何か役に立ちたいと思っている人たち」と「社会の課題を解決している人たち」をつなぐ職業です。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ファンドレイザー)
私の周りには、企業勤めをしながら社会的課題へのアクションを仲間と一緒に起こし、日々、活動している方が多数います。
そんな方々の活動が井の中の蛙で終わらずに、より社会的インパクトを高めるために、ファンドレイザーとしての知見をお伝えすることで役に立てるのではと思っています。
どんな内容か②:異なるセクターの協働について
ふたつめは、企業のソーシャルコミュニケーション部門で働く者として学んだことや考えたことです。
現代において社会的課題は「異なるセクターにおける様々な主体 (行政、企業、NPO、財団など)が、 共通のゴールを掲げ、お互いの強み を出し合いながら社会課題の解決を目指すアプローチ」が必要と言われています。すなわちコレクティブインパクトです。(https://publico.jp/journal/1810/)
異なるセクターが協働するのは簡単なことではありません。私は企業の会社員でありつつ、社内外の様々な活動やプレイヤーに触れる機会に恵まれています。この立ち位置はかなりヒントに溢れています。
ということで、この2つのテーマを中心に、そしてときどき時短をするアラフォー父親としても(ワークライフバランスと子育ても私の重大な関心ごとなので)少しだけ書いていけたらなと思っています。
しょっぱなから長文になりました。
少しずつ書いていきますのでお付き合いください。よろしくお願いいたします。
「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」読みました。
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
「頭がよくなる」ことを目指すというより、「頭の回転がよくなり、的確にものを考えられるようになるには」という問題意識で読書に臨みました。(意味するところは近いのかもしれませんが)
全体の印象
結果、非常に役立ちました。
「ゼロ秒思考」を磨く方法は、ごく短く要約すると、ただA4の紙1ページに、1件のテーマ、1分以内で、頭に思い浮かぶことを次々とメモに書く。それを毎日10ページくらい書く。それを毎日繰り返す。ただそれだけ。
そうすると頭の中のもやもやが晴れていく。考えを言葉にして書き留めていくので、頭の中が次々と進んでいく。考えることがストレスなのは、頭の中が行ったり来たり、ああでもないこうでもないとなっている状態。そうではなく、まず書き出していく。そして整理していく。
今日から、一か月、三か月、続けてみようと思います。頭がクリアになるのが楽しみです。
特に印象的だったところ
"ゼロ秒思考"というのがやや誇張した表現かもしれませんが、著者はこれまで数万ページ書き、1000人以上の人に伝え、他の方法も試行錯誤し、この方法がベストだとたどり着いたわけで、説得力があります。
例えばこんな内容がありました。
- メモに書くことで、もやもやした思い、懸案事項、考えも整理される。メモは外部メモリの役割を果たし頭の働きは驚くほどよくなる。それにより暗黙知がはっきりして形式知になる。
- 頭の整理ができるというのは、今何が大切か、大切でないか、何をすべきか、しなくてもいいのか、常に明確にわかっているということ。慌てず騒がず、必要な情報を収集し、重要なものから順次解決していける。結果、自信がつきポジティブになる。
少しだけ実践してみました
読み終えた後、実際にやってみました。
一番最初は「読んだ感想は?」というテーマで書き出して、そのあとに自分のプライベートの過ごし方、仕事への取り組みの姿勢、などのテーマに連なるように飛んで行くように進んでいきました。
それらひとつひとつは、最近の自分にとって気がかりだったことでした。吐き出すようにメモに書いていき、プライベートも仕事も、取り組むタスクやそのやるべき理由などが明確になりました。
16枚のメモで30分ほど。(メモとメモの合間にも思考の時間があり、その部分もメモにして良かったのかもしれませんね。)“気がかり”状態から脱却し、“考えをクリア”にして、“すぐ行動に移せる”ようになるというのは非常にうれしい効果です。
・・・というようにさっそく効果を実感しました。
すぐに読んで、すぐに実行すると、とても効果的だと思います。おすすめです。
【本のレビュー】デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)
- 作者: 西井敏恭
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
オイシックスドット大地株式会社の執行役員、西井敏恭さんが書かれた本です。
OisixといえばECやITに強いというイメージを持つ方は多いと思います。私もその一員になりました。その考え方や手法を学ぶために、この本を手に取ってみました。
全体の印象
著者も書いていますが、デジタルマーケティングに長く取り組んでいて、すでにバリバリ取り組んでいる人には少しライトな内容なのかもしれません。ただ今時点でそれを専門としているわけでない人にとっては、基礎的な内容や全体像を掴むために必要なことが詰まっている感じです。あとがきにこうありました。
デジタルマーケティングが多様化し、個々の施策においては詳しい人はいても、「売れる仕組み」「売れ続ける仕組み」を構築できる人がまだまだ少ない(略)
ということでこの本を読むと全体を俯瞰して見ることができ、入門者にとって、ちょうどよい足掛かりになるように思います。
特に興味深かったところ
例えばこんな内容がありました。
・まずは売上における顧客構造を理解する。新規顧客と継続顧客にわける。新規が継続に転換しているのはどれくらいか、継続顧客が離脱する時期や割合をしっかり見る。
・お客様との関係性の維持という点では特に「2回目」の購入に至るプロセスを重視する。「商品・タイミング・コミュニケーション」の3つの観点から施策を考える。
これらをしっかりやりきること、やり続けること、その地道な取り組みからお客様との関係性が作れていくのだろうと思いました。
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法(MarkeZine BOOKS)
- 作者: 西井敏恭
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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デジタルマーケティングの仕事に携わることになり始めた人にとって、非常に役立つ、そしてすぐに読めて、すぐに実践につながる本だと思います。オススメします。