「公園をつぶして保育園」!?杉並区で起きている突飛な話題を調べてみた。
「公園をつぶして保育園」!?
今朝、目にしたニュース。「公園を保育所に」そして「住民の大半は反対」これは穏やかじゃありません。いくら保育園が必要でも、公園は憩いの場、防災の拠点、緑地として、大切な公共空間。どういうことでしょう。
私も同じ都内に住む、4歳と1歳の子育て中の当事者の一人なので、興味があり、すこしネットで調べました。当然、取材などは全然していません、ググッただけです。
杉並区の「待機児童解消緊急対策」の一部だった
「公園を保育所に」という計画は、杉並区の「待機児童解消緊急対策」の一部であり、うえのニュースの説明会というのは緊急対策の第2弾のうちの一部を説明しているものだったようです。
他ニュースはこちら→東京)杉並区、保育施設確保の奇策:朝日新聞デジタル
杉並区HPはこちら↓緊急対策のために専用ページ開設。区民に緊急広報誌も配布。
要約すれば
- 当初計画で平成28年度中に10か所759名の定員増を計画
- さらなる増加が見込まれ、緊急対策第1弾で、4か所320名の定員増を計画
- それでもなお平成29年春に待機児童が560名を超えることがわかった
- 第2弾として、区立施設や区有地の活用などで11か所795名と、保育事業者の提案等で346名の定員増を計画
- 質の維持と人材の確保のための支援も行う
といった内容。ふむふむなるほどです。*1
まだ検討の余地がありそうなこと
マンション併設型の保育所は?
まず緊急対策第1弾をしてもなお560名を超える待機児童が出るだろうという推計はどこから来るのでしょうか。
その世代の転入が多いということがひとつあるだろうし、当然、住まいを確保しているはず。高層マンションでは保育所併設型も目にするのですが、杉並区のなかではマンションディベロッパー側との協議は十分にできているのでしょうか。気になります。
認証保育所が無いのはなぜ?
国の基準を満たす認可保育園が良いのはいいのですが、東京都の基準の認証保育所が緊急対策のなかに無いのはどうしてでしょう。
なお、小規模保育事業で154名定員増とありました(資料)。小規模保育は1施設当たり6名~19名の定員ですので、これはかなり事業者の努力が感じられます。
保育事業者の提案を促すことができそう
第一印象では公園に保育園⁉︎という感じがしましたが、杉並区の資料を見ていると、緊急対策として複数の対策の一つとしてそれをする、せざるを得ないということが伝わってきます。
むしろ保育事業者が名乗りをあげるのを待っている、暗に促しているように見えるのは私だけでしょうか。と思ったら同じようなことをツイートしている方がいました。
もしかしたら区長は、篤志家の方の「子どもたちの公園をつぶすくらいなら、ウチの土地を使ってくれ!」なんて発言や、幼稚園事業者の「公園を転用するなんて、そんなに大変な状況ならウチでも預かり保育を充実させよう!」なんて積極性を期待してるのかも?だとしたら策士! #杉並の保育園— 曽山恵理子@杉並こどもPJ (@sugi_pre) 2016年5月25日
杉並区の保育園といえば「保育園一揆」だった!
ここで気づいたのですが、杉並区の保育園問題といえば、「保育園一揆」でした。うえのツイートをしているのは、それを始めた曽山恵理子さん。当時すごく話題になったように、ママたちがかなり声を上げ、行政もそれに応えてきているようです。
まとめ
待機児童「1名」という数字は、子どもを保育所に預けることができず、復職できないお母さんがいるという事実を示しています。そのお母さんは1日もムダにはしたくないでしょう。経済にだってマイナスです。
そのために行政が主導し、地域の住民や、保育の事業者や、土地や施設の持ち主などと協議して対策を進めていくことが求められます。「保育園は緊急かつ重要だ。しかし公園も大事だ。ひとはだ脱いでやるか」「ここは知恵と力を出し合いましょう」的な展開が、杉並区のなかで起こるでしょうか。言うは易しですが…。
情報が十分に公開されており、優先順位の議論が透明性をもって行われれば、対話によって解決できそうな気配がします。
これからの推移を見守っていきたいと思います。
「誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術」を読んで
誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術 (光文社新書)
明智 カイト(著)
大型連休なのにずいぶんカタイ本をって感じですが、とても参考になったので、ポイントや感想など書きとめておきます。
草の根ロビイストとは
本書でいうロビイングとは、業界団体などがもっと金よこせなどと政治家に圧力をかけることではない。弱者やマイノリティを守るために政治に働きかけること。
印象に残ったところ
- ロビイングのコツは、「人は人で動く」。信頼関係をいかにつくるか。
- 小さな成功モデルを地域でつくり、それを国にパクってもらって水平展開していく。
- 社会起業家が積極的にロビイングをすることは、いわば「破氷船」のようなもの。社会課題という分厚い氷を砕き、その後に続く航路を切り開いていく。
- 世の中の動かし方のひとつは「概念をつくること」。例えば「セクハラ」「ブラック企業」という言葉を共有し、問題が可視化される。
- ロビイングのコツは、まず相手が何を考えているかを考えること。
- 政治家は、政策実現以外の活動に多くの時間を割いている。むしろ、民間、現場からの政策の要望、情報提供を待ち望んでいる。
- 市民、政治家、メディアの3者が協力するアドボカシーの必要性
政策を実現したいのであれば「政治家」ではなく「ロビイスト」になれ!
この本が最終的に言いたいことはこういうことだと思います。そのための具体的テクニックが、実践者の経験と共にわかりやすく書かれています。
まとめと感想
法や制度を変えたいと思ったとき、選挙で一票を投じることや、デモで声を挙げることに、無力感を感じることがあります。仕事がら、そうではない方法を求めていた私にとって、具体的でわかりやすい内容でした。実際にどうするかはまだわかりませんが、今後役に立つことがあるでしょう。その時のために教科書として残しておきます。
関連書籍
こちらも良書。入門書であり、かなり具体的にこうするといいよと教えてくれます。書籍購入者の特典として「社会を変えるためのロビイング」という章が、ネットで限定公開されているのも面白いです。
4月直前!電力自由化、かってに比較解説
ここ最近、電力自由化の話題ががぜん増えてきました。
素人なりに色々な情報をウォッチしてきた者として、電気利用者として今、どんな選択をしたらよいか、少し解説を試みます。よくわからないという方に、少しでも参考になればと思います。
はじめに
以前私は、仕事として、電力自由化の基本的な解説記事を1月上旬に出しました。そもそもの概論はこちらをご覧ください。
今回は各社の具体的プランもほぼ出揃い、比較サイトなども充実した今、すぐに役立つようにごく簡単な比較と解説をしてみます。
まず結論
超私的な結論としては、
・Looopでんき(https://looop.co.jp)
・東京電力のまま様子見
のどちらかです。
これは超私的な基準で選んでいます。
・再生可能エネルギー重視
・その会社が自社で電源を確保していること
・価格は最優先ではないが今より高くならないこと
・2,3年先を見据える
・今の節電生活を維持する
Looopでんきが良い理由
5/31までに申し込めば基本料無料。そのおかげで比較的安価です。
東京電力のまま様子見の理由
またスマートメーターの導入とIoTの普及により、簡単便利な節電や需給調整などはさらに進むでしょうから、電力システム改革はまだこの先も変化します。
慎重に考えれば、もっと大きな変化を待って今はじっとしていても何も問題はありません。
というわけで、超私的な判断ではこの2つの選択肢に絞られております。
候補から漏れた会社とその理由
・生活クラブエナジー
再生可能エネルギー比率は高く、申込みが抽選?になるくらい支持を集めているのですが、いかんせんわが家は生活クラブの組合員ではありません……。
・ソフトバンク
FITでんきプランというのは再生可能エネルギー比率が50%超で、今公表されている中で最も高く、自社で電源を確保しているのも安定性を感じられて魅力的です。ただ通信料とのセット割が前提だったり、問題の“○年縛り”を残していたりして、わが家はその恩恵を受けず、割高になります。
・みんな電力
顔の見える発電所というコピーにはひかれるものがありますが、実際にサイトで紹介されているのは3つの発電所だけです。電源の比率も一旦公表されましたが今は準備中とのこと。ユニークな立ち位置で頑張ってほしいのですが、あと一歩!というところです。
以上、私が知るかぎりで、超私的な視点で、ごく簡単に解説してみました。みなさんの賢明な選択に多少なりとも参考になればと思います。
なお比較サイトは大変役立ちます。価格だけ、今だけ、という視点に立たずに、落ち着いて比較検討してみてください。
お役立てください。それではまた!