鈴井孝史ブログ

準認定ファンドレイザー,学びや気づきをシェアします

「誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術」を読んで

誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術 (光文社新書)
明智 カイト(著)

 
大型連休なのにずいぶんカタイ本をって感じですが、とても参考になったので、ポイントや感想など書きとめておきます。
 

草の根ロビイストとは

本書でいうロビイングとは、業界団体などがもっと金よこせなどと政治家に圧力をかけることではない。弱者やマイノリティを守るために政治に働きかけること。
 

印象に残ったところ

  • ロビイングのコツは、「人は人で動く」。信頼関係をいかにつくるか。
  • 小さな成功モデルを地域でつくり、それを国にパクってもらって水平展開していく。
  • 社会起業家が積極的にロビイングをすることは、いわば「破氷船」のようなもの。社会課題という分厚い氷を砕き、その後に続く航路を切り開いていく。
  • 世の中の動かし方のひとつは「概念をつくること」。例えば「セクハラ」「ブラック企業」という言葉を共有し、問題が可視化される。
  • ロビイングのコツは、まず相手が何を考えているかを考えること。
  • 政治家は、政策実現以外の活動に多くの時間を割いている。むしろ、民間、現場からの政策の要望、情報提供を待ち望んでいる。
  • 市民、政治家、メディアの3者が協力するアドボカシーの必要性
 

政策を実現したいのであれば「政治家」ではなく「ロビイスト」になれ!

この本が最終的に言いたいことはこういうことだと思います。そのための具体的テクニックが、実践者の経験と共にわかりやすく書かれています。
 

まとめと感想

法や制度を変えたいと思ったとき、選挙で一票を投じることや、デモで声を挙げることに、無力感を感じることがあります。仕事がら、そうではない方法を求めていた私にとって、具体的でわかりやすい内容でした。実際にどうするかはまだわかりませんが、今後役に立つことがあるでしょう。その時のために教科書として残しておきます。
 

関連書籍

 
こちらも良書。入門書であり、かなり具体的にこうするといいよと教えてくれます。書籍購入者の特典として「社会を変えるためのロビイング」という章が、ネットで限定公開されているのも面白いです。
 

4月直前!電力自由化、かってに比較解説

ここ最近、電力自由化の話題ががぜん増えてきました。

素人なりに色々な情報をウォッチしてきた者として、電気利用者として今、どんな選択をしたらよいか、少し解説を試みます。よくわからないという方に、少しでも参考になればと思います。
 

はじめに

以前私は、仕事として、電力自由化の基本的な解説記事を1月上旬に出しました。そもそもの概論はこちらをご覧ください。
今回は各社の具体的プランもほぼ出揃い、比較サイトなども充実した今、すぐに役立つようにごく簡単な比較と解説をしてみます。
 

まず結論

超私的な結論としては、
・Looopでんき(https://looop.co.jp
東京電力のまま様子見
のどちらかです。
 
これは超私的な基準で選んでいます。
・その会社が自社で電源を確保していること
・価格は最優先ではないが今より高くならないこと
・2,3年先を見据える
・今の節電生活を維持する
 

Looopでんきが良い理由

電源に占める再生可能エネルギー比率が26%。そもそも電源構成を公表していない会社もある中でこちらは高い方です。3.11後に立ち上がったベンチャーという点でも贔屓目になります。
5/31までに申し込めば基本料無料。そのおかげで比較的安価です。
なお東京電力の料金には燃料調整費があり、これは今、原油価格が安いため、毎月マイナス数百円と家計には恩恵があります。化石燃料に頼るかぎり、今後は高くなるかもしれません。
 
Looopでんきが少し心配なのは、電源が太陽光発電ばかりなので卸売市場からの買取が増えるなどして、末端価格にも影響が出ないか…です。他の電源開発も急ぐということなので今後に期待です。
 

東京電力のまま様子見の理由

とはいえ、電力自由化の全体として不安要素はまだあります。2020年予定の発送電分離がまだされていない段階では新規参入小売業者には厳しい環境です。
またスマートメーターの導入とIoTの普及により、簡単便利な節電や需給調整などはさらに進むでしょうから、電力システム改革はまだこの先も変化します。
慎重に考えれば、もっと大きな変化を待って今はじっとしていても何も問題はありません。
 
というわけで、超私的な判断ではこの2つの選択肢に絞られております。
 

候補から漏れた会社とその理由

・生活クラブエナジー

再生可能エネルギー比率は高く、申込みが抽選?になるくらい支持を集めているのですが、いかんせんわが家は生活クラブの組合員ではありません……。

 

ソフトバンク

 
FITでんきプランというのは再生可能エネルギー比率が50%超で、今公表されている中で最も高く、自社で電源を確保しているのも安定性を感じられて魅力的です。ただ通信料とのセット割が前提だったり、問題の“○年縛り”を残していたりして、わが家はその恩恵を受けず、割高になります。
 

・みんな電力

顔の見える発電所というコピーにはひかれるものがありますが、実際にサイトで紹介されているのは3つの発電所だけです。電源の比率も一旦公表されましたが今は準備中とのこと。ユニークな立ち位置で頑張ってほしいのですが、あと一歩!というところです。
 
以上、私が知るかぎりで、超私的な視点で、ごく簡単に解説してみました。みなさんの賢明な選択に多少なりとも参考になればと思います。
なお比較サイトは大変役立ちます。価格だけ、今だけ、という視点に立たずに、落ち着いて比較検討してみてください。
 
お役立てください。それではまた!