「変わることを怖れない」食品ロスの映画をラジオで話して考えたこと
食品ロスの問題をエンタメ的に描いた映画『0円キッチン』のプロモーションのため、2月1日(水)コミュニティFM「渋谷のラジオ」(87.6MHz)に出させていただきました。ラジオで話したことや、うまく話せなかったことを、ここに書き留めておこうと思います。
映画『0円キッチン』オフィシャルサイト | 世界から食料廃棄をなくす旅。キッチン付き廃油カーでヨーロッパを巡り廃棄食材料理を届けるエンターテイメント・ロードムービー!
渋谷のラジオ 87.6MHz 2016年4月1日、本放送開始。
番組は18:00~18:55「渋谷のミライ」、パーソナリティーは中島悠さん(株式会社グリーンアップル代表)。
一緒に出させていただいたのは、映画配給会社ユナイテッドピープル株式会社のアーヤ藍さん。ユナイテッドピープルは「人と人をつないで世界の課題を解決する」というミッションを掲げ、ドキュメンタリーを中心に社会問題をテーマにした映画の配給をしています。
大地を守る会と、食品ロス問題
ラジオで話そうと思って用意していたことを記します。
ー自己紹介(会社のこと)
大地を守る会は、設立41年目になる有機野菜などの宅配会社です。有機野菜やオーガニックという言葉がまだ日本では変わり者扱いされていた時代、安全・安心なものを作りたい生産者と食べたい消費者をつなげる市民運動から始まった、いわばソーシャルビジネスの先駆けと言っていいと思います。
ー映画を観て感じたこと
映画の中では監督の視点がすごくフラットです。誰かを糾弾したり批判したりしない。基本ずっとにこにこしています。救出された食材がおいしく変身して、みんなで楽しく食卓を囲むシーンも、空気感がとてもよく伝わってきます。
でも先日、監督にインタビューしたとき、胸の内に秘めた思いを聞きました。食料廃棄を何とかしなければという強い思いと、その原点にはとてもパーソナルな体験があることも語っていただきました。インタビュー記事は大地宅配HPで近日公開予定。チェックしてね(笑)
すでにこんな記事も書いていますので、読んでやってください。
ー食品流通業界の人たちは賞味期限の設定の問題など含めて、「食品ロス」問題に対してどう思っているでしょうか。
(以下、かなり語弊があるかもしれませんが、ラジオで喋っちゃったので…)
賞味期限って、業界でお互いに顔を見合わせて設定してしまっている部分があるのかもしれません。でも危機感はあると思います。おいしい食べ物、健康的な食事を世の中に届けるのが食品流通業界の使命なのに、ふと周りを見渡すと十分に食べられない人が大勢いる現実を目の当たりにして、これではいけないと考えている人は多いと思います。
映画のチカラ:人が動くきっかけに
映画配給という仕事や、映画を社会に届ける、という話でアーヤさんがこんなことをおっしゃっていました。(ニュアンスだけの再現です)
ユナイテッドピープルでは「見終わった後に行動を起こしたくなるか」ということを大切にして選んでいます。観るだけではなくて、観た人同士で話をしたり、自分の行動を変えてみようと思えたりすることが大切。
また他作品の紹介ではこんなことも。
(同性婚の裁判をテーマにした映画で)身近にそういうことがある(そういう人がいる)ということを映画を通じて知ることで価値観も変わるでしょう。映画を観た人の反響が広がって、世論も動き、社会が動いていくこともあります。映画はある意味でツールです。
これを受けて私からこんなコメントをさせていただきました。
映画にはやはり伝えるチカラがありますよね。映画には、そこに取り上げられる人たちが一生懸命に取り組んでいることが、1時間や2時間にギュッと凝縮されて映し出されていて、それがパッケージされて届けられています。
変わることを怖れないでいたい。
食品ロスの映画を観て、プロモーションに関わって、ラジオで話すために考えて、そして終わった後に、こう感じました。
「変わることを怖れないでいたい。」
前例や常識にとらわれないで、自分の、自分たちの行動や価値観を振り返ってみると、案外それは思い込みだったり、先入観だったりするかもしれません。
昨日と今日が同じである必要などないのです。人はそうやってどんどん変わることができるのです。
映画がそういった思い込みを吹き飛ばしてくれるきっかけになったりします。
このように考える機会を与えてくれた、監督ダーヴィド・グロス、ユナイテッドピープル、渋谷のラジオ、それぞれの関係者のみなさんと、そして弊社にも改めて感謝します。ありがとうございます。
おまけ:チャットモンチー『余談 from 「変身TOUR'13@Zepp DiverCity」』
ラジオの中で曲紹介させていただきました。選曲理由もちゃんとあるので興味があれば
をチェックしてください。
「公園をつぶして保育園」!?杉並区で起きている突飛な話題を調べてみた。
「公園をつぶして保育園」!?
今朝、目にしたニュース。「公園を保育所に」そして「住民の大半は反対」これは穏やかじゃありません。いくら保育園が必要でも、公園は憩いの場、防災の拠点、緑地として、大切な公共空間。どういうことでしょう。
私も同じ都内に住む、4歳と1歳の子育て中の当事者の一人なので、興味があり、すこしネットで調べました。当然、取材などは全然していません、ググッただけです。
杉並区の「待機児童解消緊急対策」の一部だった
「公園を保育所に」という計画は、杉並区の「待機児童解消緊急対策」の一部であり、うえのニュースの説明会というのは緊急対策の第2弾のうちの一部を説明しているものだったようです。
他ニュースはこちら→東京)杉並区、保育施設確保の奇策:朝日新聞デジタル
杉並区HPはこちら↓緊急対策のために専用ページ開設。区民に緊急広報誌も配布。
要約すれば
- 当初計画で平成28年度中に10か所759名の定員増を計画
- さらなる増加が見込まれ、緊急対策第1弾で、4か所320名の定員増を計画
- それでもなお平成29年春に待機児童が560名を超えることがわかった
- 第2弾として、区立施設や区有地の活用などで11か所795名と、保育事業者の提案等で346名の定員増を計画
- 質の維持と人材の確保のための支援も行う
といった内容。ふむふむなるほどです。*1
まだ検討の余地がありそうなこと
マンション併設型の保育所は?
認証保育所が無いのはなぜ?
保育事業者の提案を促すことができそう
もしかしたら区長は、篤志家の方の「子どもたちの公園をつぶすくらいなら、ウチの土地を使ってくれ!」なんて発言や、幼稚園事業者の「公園を転用するなんて、そんなに大変な状況ならウチでも預かり保育を充実させよう!」なんて積極性を期待してるのかも?だとしたら策士! #杉並の保育園— 曽山恵理子@杉並こどもPJ (@sugi_pre) 2016年5月25日
杉並区の保育園といえば「保育園一揆」だった!
まとめ
「誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術」を読んで
誰でもできるロビイング入門 社会を変える技術 (光文社新書)
明智 カイト(著)
草の根ロビイストとは
印象に残ったところ
- ロビイングのコツは、「人は人で動く」。信頼関係をいかにつくるか。
- 小さな成功モデルを地域でつくり、それを国にパクってもらって水平展開していく。
- 社会起業家が積極的にロビイングをすることは、いわば「破氷船」のようなもの。社会課題という分厚い氷を砕き、その後に続く航路を切り開いていく。
- 世の中の動かし方のひとつは「概念をつくること」。例えば「セクハラ」「ブラック企業」という言葉を共有し、問題が可視化される。
- ロビイングのコツは、まず相手が何を考えているかを考えること。
- 政治家は、政策実現以外の活動に多くの時間を割いている。むしろ、民間、現場からの政策の要望、情報提供を待ち望んでいる。
- 市民、政治家、メディアの3者が協力するアドボカシーの必要性
政策を実現したいのであれば「政治家」ではなく「ロビイスト」になれ!
まとめと感想
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