『学校に頼らなければ学力は伸びる』(山本崇雄)を読んで
最近関心を持っている学校教育。読書会or映画上映会を準備中です。
【募集】”学校をつくり直す”映画上映会or読書会を一緒に企画してくださる方いませんか? - 鈴井孝史ブログ
そのなかで出会った本の感想などを書いておきます。
残念ながら今の学校には頼れない?
私も小学2年生の子の親。わが子の学校生活はそれなりに安定して子どもも楽しんでいて、先生方も優しく見守ってくださる雰囲気で心配はありません。ただ、ちょっと物足りないかも…と思うのも正直な気持ちです。
一般論で言えば、学校とリアルな社会を比較してみると…
- 学校で出る問題は、指定された範囲から与えられるけど、大人のリアルな社会では、課題を自分たちで設定する
- 学校ではカンニングはダメだけど、リアルな社会では周りとコミュニケーションしまくり
- 学校でわからないときは先生がいるけど、リアルな社会ではフィードバックをくれる人を自分で探す
やっぱり社会から見た今の学校てちょっと古くて硬直的かも。学校ってそういうものでしょ、と思いたくなる気持ちも湧いてくるかもしれません。ですが、伸び盛りの子どもたちが毎日のほとんどの時間を過ごし、信頼を置いているはずのところを諦めるなんてやっぱりできない。そう思うのです。
もし学校がすぐに変われないなら生徒が変わるしかない
そこで本書は提唱します。「自律型学習者」になることを。
自律型学習者とは、自分の「学び方」を手に入れ、自分をコントロールしながら自発的に学び、成長していける人のことだ。
これは社会人として生きる大人も全く同じですね。めまぐるしく変化するこの時代。追われるように生きるより、自分で舵をとり、自分で航路を決めた方が楽しいに決まってます。
でも自律型学習者なんてそう簡単か?
そもそも子どもは意欲のかたまりではないでしょうか?
米国の哲学者ジョン・デューイによれば、そもそも子どもには「知りたい」「作りたい」「コミュニケーションしたい」「表現したい」という4つの欲求があります。
そんな子どもたちに、静かにしなさい、とか、よく聞いてなさい、とかばかり言うのはなんだかちょっと違いますよね。
ちなみに新しい学習指導要領でも授業改善のために、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の視点が謳われているそうです。子どもの本来の欲求に沿っていますね。
じゃあどうやって自律型学習者になるか
著者は「教えない授業」というキーワードで本を出され、その実践で軒並み生徒たちの学力を伸ばしている現役活躍中の先生です。具体的に中高生が取り入れられるノウハウが詰まっています。一例を目次から引用しつつ…
- ワクワクする問いを作る
- 魔法のノートを作る
- わかったことを図解する
- 自分の意見をまとめる
などなど。こうやって読むとビジネスの場面ではわりと当たり前な感じ。目的・目標がワクワクしないとモチベーション続かないし、対象をしっかり観察・分析しないと表面的な理解しかできないし、わかったことをアウトプットしたりコミュニケーションにつなげないと成果にならないし。
これからの時代を生きるために
本の帯にこうあります。「教えない授業」から生まれた幸せになる勉強法。
私が学校教育に関心を持ち本を読み始めたきっかけは、姪っ子に「なんのために勉強ってするの?」と聞かれたことでした。そのとき私はこう答えました。「幸せになるためだよ」
だからこの本を中学2年生の姪っ子にプレゼントしようと思います。
次はこんな本も買いました。これもまた後日紹介します。
シンプルな方法で学校は変わる 自分たちに合ったやり方を見つけて学校に変化を起こそう
- 作者: 吉田新一郎,岩瀬直樹
- 出版社/メーカー: みくに出版
- 発売日: 2019/03/15
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